革ができるまで
革ができあがるまで、おおよそ13工程がかかります。(栃木レザーの工場を取材)
Step1:水戻し
水戻しとは、塩漬けされた北米原皮の、塩分や汚れを水で洗い流し、それと同時に皮に十分な水分を戻す作業です。
所要日数:1日
Step2:背割り
背割りとは、背骨に沿って左右半分に分割する作業を言います。背割りをすることで、この後の作業効率が上がります。
所要日数:半日
Step3:脱毛・石灰漬け
皮を石灰乳に漬けると、脱毛が容易になり、不要な脂肪が分解され、更に、コラーゲン繊維がほぐれます。石灰漬けの作業により、皮への薬品の浸透が容易になります。通常この作業は、ドラムやハスペルで行いますが、栃木レザーでは槽でじっくりとこの工程を行っております。
所要日数:5~6日
Step4:フレッシング
フレッシングとは、皮の肉面についた余分な脂肪を機械により取り除く作業です。
所要日数:1日
Step5:脱灰・酵解
脱灰・酵解とは、以降のなめし工程をスムーズに行うため、皮を中和し、更に表面を平滑にする工程です。
所要日数:1日
Step6:タンニン槽なめし
タンニン槽なめしとは、皮を植物タンニン溶解液の入った槽に漬け込み、約3週間から6週間かけてなめしあげる工程です。この工程で「皮」が丈夫で腐敗しにくい「革」となります。
所要日数:ヌメ革 20~30日、多脂革 50日
Step7:加脂
加脂とは、なめしが終了した革の余分な水分を絞り、革に天然ベースの油をドラムの中でたたき込む作業です。これにより、革に柔軟性や耐久性を持たせることができます。
所要日数:半日
Step8:伸ばし
機械で革を平滑にした後、更に手作業で丁寧に伸ばします。
所要日数:1日
Step9:乾燥
直射日光の当たらない風通しのよい屋内で革を自然乾燥させます。乾燥した革はヌメ革や多脂革と呼ばれます。
所要日数:10~15日
Step10:革漉き
革漉き(かわすき)とは、ヌメ革の厚みを整える工程です。鞄や小物、ベルト等、用途に合わせ厚みを変えます。
所要日数:1日
Step11:染料・レタン・加脂
製品の用途・目的に合わせて、色、風合い等を染料、薬品で性格付けを行います。
所要日数:1日
Step12:伸ばし・乾燥
再び革を平滑にするため、伸ばし・乾燥を行います。ここでも、製品の用途・目的にあわせた伸ばし方法・乾燥方法を選択して行います。
所要日数:5~10日
Step13:仕上げ
乾燥した染色革の硬さを調整し、色・艶・タッチ感等を整えるため塗料を吹き付ける、かなり感性を要求される作業です。更に、表面の平滑さ・艶をアイロンで整えることもあります。また時として型を押して処理することなどもあります。
所要日数:10~15日