革について – 原皮(Raw stock)

原皮(Raw stock)

原料皮の種類は動物の種類によるものの他に、大きさ(重量)によって区別されます。

・ハイド (hide) :成牛皮、馬皮など11kg以上(半裁)ある大きくて厚く、重い皮。
・スキン (skin) :中小牛皮、羊皮などの小さくて薄く、軽い皮。

原皮の7割以上はアメリカを中心とした海外より輸入されています。

■牛皮

革製品の大部分は牛皮が使用され、原皮の輸入量の8割以上を占めています。牛皮は、大判で厚く、繊維組織が比較的均一で充実していて、強度及び耐久性があり、あらゆる革製品に利用されています。

牛皮の種類
成牛皮ステアハイド(去勢牛)
生後3ヶ月から6ヶ月以内に去勢した牡(オス)で、生後2年以上育った皮。
ブルハイド(雄牛)
生後約3年以上の牡(オス)の成牛の皮。
カウハイド(雌牛)
生後2年以上の牝(メス)の成牛の皮。
中牛皮キップスキン
生後6ヶ月から2年ぐらいまでの中牛の皮。
仔牛皮カーフスキン
生後6ヶ月以内の仔牛の皮。
※キップスキン・カーフスキンは、繊維がキメ細かく銀面が平滑で美しい皮です。
※ 地生(ジナマ)国内産の成牛皮で、生皮のままで取引されるところから地生と呼ばれています。

■馬皮

大判で全体に組織は粗いが、尻の部分は繊維も緻密で光沢の美しい革ができるので、特にコードバンと称し珍重されています。

■鹿皮

あたたかい肌触りで非常に柔軟です。日本でも古くから使われています。銀面に傷が多い皮です。

■羊皮

ヘアシープ/強度に優れています。ゴルフ手袋や衣料に使われます。
ウールシープ/繊維の絡み合いが少ないため軽くて柔軟ですが、強度は弱くなります。
ラムスキン/小羊の皮。毛皮原料としても良質です。

■山羊皮

羊皮より充実した繊維組織を持ち、強くやや硬い。銀面は特有な凹凸をもち耐磨耗性に優れています。大きさ(年齢)により、ゴート(goat)とキッド(kid)に区分されます。

■豚皮

国内で自給できる唯一の原皮、海外にも多く輸出されています。 摩擦に強く、通気性に優れています。毛穴(3つが一群になっている)のあるのが特長です。

■その他

爬虫類(ワニ、トカゲ、ヘビ)、ダチョウ(オーストリッチ)、カンガルー、サメなどさまざまな原料皮があります。

革の部位

一概に革といっても、素材の部位により呼び方が変わってきます。
各部位は、一般的に以下のような名称で呼ばれています。

部位の名称